就職まで見通した進路決定を

一時期の就職氷河期なんてひどい時代もありましたが、現在ではその反発でバブル状態にあるような気もします。新卒の就職活動状況を見ていても、やはり人気の業界や競争率の激しい職種などについてはなれない学生も多いものですが、就職できるかどうかという点ではこだわりさえ捨てれば、今は誰でも就職することはできる状態です。また、時代なのか特に職へのこだわりもなく、ライフスタイルの安定性であったり、人生を賭して職業人になるようなキャリアプランの学生さんはめっきり減りました。その分、せっかく就職したものの、何の目標もなく、なんとなくで辞めていく新社会人がとても増えてしまい、これはこれで問題となっています。ある意味、職に恵まれながらもライフプランやキャリアプランという点に価値の基準が持てない世代といえ、可哀そうだとさえ思えてきます。長い人生を考えれば、なんとなくで生活が上手に回り続けるということは確率的に低いからです。

しかし、そのような時代だからこそ、進学のタイミングから将来を見据えた進路決定をしなくてはなりません。一般的に、理系学部の方が就職に結びつきやすいのは今も同じです。また、理系の場合は専門職として就職することが多いため、文科系卒業者のようにあれもこれも職種を変える機会というのは少ないでしょう。特に就職率の高さから人気の工学部は、選考によって職域が決定されるので進学時点できちんとなりたい職業の方向へ進むことが重要です。それ以外には、単科大学か総合大学かという違いがありますが、あまりそこは気にしないでいいでしょう。単科か総合かよりも、何を学べるかが重要になります。最近だと、まだ数は多くなく国際工科専門職大学ぐらいですが専門職大学という新しい形態も登場しているので選択肢も増えてきています。ちなみに、専門職大学は産業界との結びつきが強い大学になりますので更に就職には有利になることでしょう。